高校物理から大学物理へ──「橋渡し」を求める生徒たち

昔、経済学部の大学院を受験する学生から、線形代数を教えてほしいと頼まれたことがありました。

当時は珍しい依頼でしたが、最近はもっと変化を感じます。

最近では、生物選択で医学部に進学した学生数人に、高校物理から大学初年級の物理まで指導しています。

高校で物理をほとんど履修していない状態で、大学の授業ではマクスウェル方程式やMRI、放射線物理などが出てきます。
大学の授業は進度も速いため、高校物理の内容を一つひとつ復習しながら進むことは難しいのが現実です。

先日も、コンプトン散乱についての質問を受けました。
考え方自体は高校物理と大学物理で変わらないのですが、大学物理では電子のエネルギーや運動量を求める式が変わります。
高速で運動する電子を扱うため、特殊相対性理論の式を使う必要が出てくるからです。

こうした「高校の考え方から大学の考え方への橋渡し」を解説した専門書や受験参考書は、今のところ見当たりません。
大学の専門書は最初から大学の枠組みで書かれていますし、高校の参考書は当然そこで止まっています。
だからこそ、両方を知っている立場での解説が役に立つのだと感じます。

生物選択で医学部に進学する人は、できれば入学前に30時間くらいかけて、力学・波動・電磁気・原子物理だけでも一通りイメージを作っておくことをおすすめします。

みんな頑張って試験を乗り切ってほしいですね。

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この記事を書いた人

中村 誠のアバター 中村 誠 中村数理ゼミR 塾長

単なる解き方の暗記ではなく、実際に手を動かし、考え、試すことを通して、思考のプロセスそのものを積み重ねていきます。少人数だからこそ、一人ひとりの思考の動きや迷いに向き合いながら授業を行います。