高校生物から、大学の医用物理へ――「生物選択者のための医用物理ノート」を作り始めました
ちなみに第1話はMRIについてです。
私自身も、これまでにMRI検査を受けたことがあります💦
検査室の大きな音や独特の空間に、かなり緊張しました。
普段は何気なく受けている検査ですが、その裏側ではどのような物理現象が起きているのか。そうした視点を持つことで、医療の見え方も少し変わってくるのかもしれません。
最近、生物選択で医学部に進学した学生へ、「医用物理」について指導する機会が増えてきました。
また、入学前に高校物理全般を短期集中で指導することも多いです。
大学では、放射線・X線・電磁気学など、医療の現場を支えるさまざまな物理を学びます。しかし、高校で物理を選択していなかった学生にとって、大学に入って突然マクスウェル方程式やコンプトン効果と向き合うことになるのは、大きな壁になります。
「数式を見ても、何を意味しているのか理解できない。」
そんな悩みを耳にすることが少なくありません。
そこで現在、少しずつ「生物選択者のための医用物理ノート」を作成しています。目指しているのは、大学物理をそのまま教えることではありません。できるだけ高校物理の言葉に翻訳しながら、「何が起きているのか」を理解できる教材を作ることです。
例えば「コンプトン効果」は、大学の教科書では光子と電子の運動量保存則から数式で導かれますが、発想としては「ビリヤードの球がぶつかって跳ね返る現象」に近いものです。エネルギーと運動量が保存される、という高校物理で習う力学の考え方がそのまま使えます。MRIで使われる磁場や電磁波、X線の発生と人体との相互作用なども、同じように高校物理の基本と結びつけることで、少しずつ理解できるようになります。
もちろん、教材はまだ試作段階です。実際の授業を通して「どこでつまずくのか」「どの説明なら伝わるのか」を確かめながら、これまで指導してきた内容を少しずつ書き続けていくつもりです。
「なぜあの音が鳴るのか」を隅々まで説明するつもりはありません。大学の試験や医療の現場で困らない程度に、必要十分な理解を積み重ねていく——そんなスタンスで書いていきます。
中村数理ゼミRでは、これからも「難しいことを簡単にする」だけでなく、「何が起きているのかを理解できるようにする」教材づくりに取り組みたいと思っています。
生物選択で医学部に進学された方、あるいはこれから物理を短期集中で固めたい方は、お気軽にご相談ください。
記事はこちらです。
MRI① MRIで使う電磁波とは何か