【第3回】 学べる環境にいる今、私が大切にしたいこと
これまで、日本の受験制度や、その背景にある歴史について書いてきました。
今回は少し視点を変えて、日々生徒たちと接する中で、私自身が大切にしていることを書いてみたいと思います。
日本では、多くの子どもが学校に通い、受験を経て進学先を選ぶことができます。けれど世界に目を向けると、経済的な事情や地域の問題で、そもそも十分に学ぶ機会を持てない子どもたちも少なくありません。
そう考えると、「勉強したくない」と言えること自体、実はとても恵まれた環境なのだとも思います。
もちろん、塾に来る生徒や保護者の方々にとっての一番の関心は、点数を上げることや志望校に合格することです。ですから、私はまず目の前の試験や成績に対して、きちんと結果を出せるように指導したいと思っています。
その一方で、授業の中では、できるだけ「自分の頭で考える時間」を残したいとも思っています。
すぐに答えを教えてしまえば、問題は解けます。しかし、自分で考え、試行錯誤し、ときには遠回りをしながらたどり着いた理解のほうが、ずっと記憶に残ります。
さらに言えば、「考える」という経験そのものが、その後の学びや人生のどこかで役に立つのではないか、と私は感じています。
もちろん、それが将来必ず役立つと断言することはできません。どんな経験がどこで生きるかは、人それぞれだからです。
ただ、授業の中で積み重ねた小さな「自分で考えた経験」が、いつかどこかで、その人の助けになることがあればいい。そんな気持ちで日々の授業をしています。
次回は、受験という通過点を越えたあと、学ぶことがどのように続いていくのかについて、もう少し考えてみたいと思います。
次回予告
受験のあとにも続いていく学びについて